【英国発】 ロンドン市長の出世物語「ウィッティントンとねこ」
ねこねーさんは今日はジュリーの古希コンサートの初日で、
個人的にウキウキ♪なのですが、国内のニュースは
朝から大雨の被害だったり、オウム真理教の急展開だったり…
いつも以上にただならぬ様相を呈しています。。
一方、海外ねこニュース関連は、これといった大きな話題もなく、
急いで取り上げたい旬なネタもなさそうなので、本日はひさびさに
ねこねーさんの大好物なローカルな小ネタをピックアップ!
「ねこねこNEWS」お得意の”にゃんこ像”ネタですよ♪
昨夜のねこネタ探しで、ねこねーさんを地味に萌えさせたのが、こちらのお写真↓
Photo:DUN.CAN/CC BY 2.0 / Atlas Obscura
見た感じ、かなり古い時代に建てられたにゃんこの石像のようですが、
周囲を柵で囲われているところからも、大切にされている様子が伺えますね。
この石像があるのはロンドン北部のハイゲイト・ヒルという名前の通り沿い。
駅名でいうと、地下鉄のアーチウェイ駅が最寄駅になります。
にゃんこ像の正体は、14世紀に3期にわたりロンドン市長を務めた実在の人物、
リチャード・ウィッティントン(1354年頃–1423年)の飼い猫。
故郷のランカシャー(諸説あり)から出世を夢見てロンドンに上京した孤児
ウィッティントンが、皿洗いの奉公人として豪商フィッツウォーレン氏の
屋根裏部屋で暮らしていた時に買い求めたにゃんこで、その後、
ウィッティントンに巨額の富をもたらすことになります。
ロンドン留学歴があるにもかかわらず、ねこねーさんは恥ずかしながら、
この像のことも、「ウィッティントンとねこ」のお話のことも、
まったく知らずにいたのですが、英国ではとても有名な民話のようです。
どうやら、ミュージカル『キャッツ』の歌詞の中にも
ウィッティントンの猫についての歌詞があるようですし、
当然のごとく、Wikipediaでもばっちり解説されておりました:
Wikipedia:ウィッティントンと猫
あまりに有名な話すぎてWikiの解説は要素過多。。
詳しく書かれ過ぎていて、逆にちょっとわかりにくいですね(苦笑)
「ねこねこNEWS」では、難しそうな内容はサクッと端折って、
にゃんこ像のお写真を眺めながら、完結にまとめさせていただこうと思います。
こちらが、ハイゲイト・ヒルに設置されているにゃんこ像の全貌です↓
Photo:GAVIN 〔ATLAS OBSCURE USER〕 / Atlas Obscura
「ねこの像」が主役というよりも、
何かの石碑の上の守り神的にお猫さまが鎮座しているのがわかります。
これは正しくは「ウィッティントン・ストーン」と呼ばれる記念碑なのです。
石碑には、このようなプレートもはめられているいます↓
Photo:GAVIN 〔ATLAS OBSCURE USER〕 / Atlas Obscura
ウィッティントンは、豪商フィッツウォーレン氏の邸宅で奉公していた頃、
住まいとして与えられた屋根裏部屋のネズミの多さに耐えかねて
貯金をはたいて1匹のねこを購入しました。
ねこは期待どおり、ネズミ捕りに大活躍してくれたのですが、
主人であるフィッツウォーレン氏が貿易船を派遣することになった際に
船に乗せる品を家族全員から徴収することになり、
飼い猫しか持ち物がなかったウィッティントンは、心の拠り所あった
そのねこを主人に差し出さなくてはならなくなりました。
愛猫が海外で売られることになって絶望し、主人の家から逃げ出した
ウィッティントンは、故郷へ戻ろうとしたのですが、逃亡途中に
ボウ教会の鐘の音を聴いて思いとどまります。
鐘の音が「3度ロンドン市長になる」と自分に告げているように聴こえたのです。
参考にした記事によると、ウィッティントン・ストーンが建てられている場所は、
ウィッティントンが鐘の音を聴いて、逃亡を思いとどまった場所のようです。
石碑は何度か建て直されており、石碑の上に現在のねこが乗せられたのも
1964年になってからなのだとか。
こちらのイラストは19世紀に記されたウィッティントン伝説の挿絵なのかな?↓
Photo:Unknown Public Domain / Atlas Obscura
描かれているのは、ウィッキントンがねこを購入するシーンのようですが、
ねこを抱えている売り手の女性は魔女のような風貌…もしかしたら、
ウィッティントンのねこは、不思議な魔力をもっていたのかもしれません。
というのも、その後、このお猫さまは、
ウィッティントンに魔法のような展開をもたらすのです。
ウィッティントンのねこを乗せた貿易船は北アフリカに向かい、
ムーア人国王との商談に成功。船に乗っていた英国人商人たちも
丁重にもてなされたのですが、その宴の席でネズミが大量発生。
もちろん、ウィッティントンのねこの出番です!
ここでもネズミ捕りの才能を遺憾なく発揮し、大活躍を繰り広げたねこは、
人知れず妊娠しており、子猫を宿していることが発覚。
そのことを知ったムーア人の国王は、残りの積荷を上回る金額で
ウィッティントンのねこの買い取りを決め、支払われた富はそっくりそのまま
奉公人のウィッティントンに渡されることになったのです。
ヘンリー5世統治下の実在の人物、リチャード・ウィッティントンは、
かくして奉公人から大富豪への大出世劇をなしとげました。
さらに幸福は続きます。
彼は、主人だった豪商フィッツウォーレン氏の令嬢と結婚し、
義父といっしょにビジネスを展開。鐘の予言通り、
ロンドン市長を3期務めるという偉業も成し遂げました。
まさに、おねこさまさま、といった展開です。
18世紀に描かれたこちらのイラストでも、
若かりし日の貧しいウィッティントンとにゃんこがセットで描かれています↓
Photo:Boston Public Library Public Domain / Atlas Obscura
じつはこのお話、名作絵本として知られる『三びきのやぎのがらがらどん』の
著者であるマーシャ・ブラウンさんも絵本化しており、
日本でも出版されているのです。
ディック・ウイッティントン
とねこ イギリスの昔話
マーシャ ブラウン (著)
まつおかきょうこ (訳)
アリス館 (2007/6/1)
[大型本]
(画像をクリックすると、AmazonのHPで詳細説明をご覧いただけます)
うーん、こんなに有名な話を今まで知らないでいたなんて。。
英国方面にはアンテナを張り巡らせているはずなのに、盲点でした!
今回は駆け足での調査&ご紹介になりましたが、
「ウィッティントンとねこ」については、かなり興味をそそられます。
もう少し詳しく調べてみようかな♪
関連記事はこちら↓
Atlas Obscura(7月4日):Dick Whittington’s Cat
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