【シリア発】アレッポのねこサンクチュアリ、空爆のため移転
わが家のクリスマスツリーも飾り終えて、お庭のギンナンの2回目の
下処理大会も開催し、ルビちゃんがオシッコ爆弾を投下した簡易クローゼットと
タオルケットも丸洗いし、ねこねーさんとしてはめずらしく、
今週末はそれなりにノルマをこなせて大満足。
これであとは、明日のブログの準備を済ませれば、平和な週明けが迎えられる♪
と思ったのですが、昨晩、ネット検索でヒットしたねこネタは、
平和とは正反対のものでした。
9月末に「ねこねこNEWS」で取り上げた、シリアのアレッポで、
現地のねこたちの保護活動に奮闘する男性のことを
覚えていらっしゃいますでしょうか?
アレッポの電気技術者で救急車の運転手も務める
モハマド・アラー・アルジャジール(Mohammad Alaa Aljaleel)さんは、
現地の野良ねこはもちろん、激化する内戦のために避難することを
余儀なきなくされた家族が残していった飼いねこたちのお世話をするために、
空爆の危険が高いアレッポに残り続け、
ねこたちのためのサンクチュアリ(避難所)を守り続けていたのですが…
過去記事はこちら↓
9月29日:【シリア発】100匹以上のねこたちの命をつなぐ、アレッポのねこ男
※過去記事では、アルジャジール氏の名前表記が間違っていたようなので訂正しました。
この白猫ちゃんが撮影されたサンクチュアリには、もう彼らはいないのです↓
週末を挟んだのでニュースのチェックが遅れてしまいましたが、
じつは5日ほど前に、アルジャジール氏のサンクチュアリがある地域にも
ついに攻撃が仕掛けられていたのです。
こちらのTwitter投稿の映像が、その攻撃の様子です↓
Excuse us today we can not show you the cats,because ……
— Ernesto’s Sanctuary for Syrian Cats (@theAleppoCatmen) November 16, 2016
ladies and gentlemen, this is our home of Ernesto cats today. pic.twitter.com/XiaVzAOH6x
幸い、アルジャジール氏は無事でしたが、彼がお世話していたわんにゃんの中には
この空爆によって命を落としてしまった子(←注意:クリックすると画像付きの
Twitter投稿へ飛びます)が少なからずいたようです。
参考にした記事によると、施設の数匹のねこたちと共に、施設のマスコット的な
存在だった「ホープ」という名前のわんこも絶命したそうです。
また、アルジャジール氏の自宅も攻撃を受け、トルコへ移住した女の子から
託されたトラねこを含む2匹のねこたちも、自宅への爆撃によって
命を奪われたのだとか。
その他の多くのにゃんこたちは生き残ることができましたが、
すでに彼らのサンクチュアリは廃墟も同然。
塩素ガス爆弾も投下されているということもあり、施設は移転を余儀なくされました↓
home of Ernesto cats, will close !! now also they bombarded with chlorine. We go away with our cats and Dog .😔#HouseOfCatsErnestoinAleppo pic.twitter.com/5cZ0pfh3CB
— Ernesto’s Sanctuary for Syrian Cats (@theAleppoCatmen) November 18, 2016
こちらのツイートは、3日前に投稿されたもの↓
ものものしいガスマスクが現地の緊迫した状況を物語っています。
we live in hell , but we stay human, without losing the tenderness.#houseofCatsErnestoinAleppo #Chlorine #SaveAleppo #NobelPeacePrizetoAlaa pic.twitter.com/KOuRkLaqtL
— Ernesto’s Sanctuary for Syrian Cats (@theAleppoCatmen) November 18, 2016
「私たちは地獄の中で生きている。
でも、優しさを失うことなく、人間であり続けるんだ」
そして、20日付のこちらの投稿では、
移転先のサンクチュアリの様子もシェアされています↓
にゃんこたち、元気そうでなによりです!
A new home …#thenewhouseofcatsErnestoinAleppo pic.twitter.com/iNbrc9qrk5
— Ernesto’s Sanctuary for Syrian Cats (@theAleppoCatmen) November 19, 2016
これだけの数のねこたちを引き連れての空爆下での移動は、
どれだけ大変なことかと思います。アルジャジール氏の努力と苦労が、
並大抵のものではないことは誰が見ても明らかです。
彼の活動はメディアも注目しており、今では世界中に多くのサポーターが存在します。
アレッサンドラ・アビディン(Alessandra Abidin)さんというイタリア人女性が
管理人を務める、アルジャジール氏を支援するFacebookグループには、
すでに1万5,000人近くの人たちがメンバーとして登録しています。
サポーターからの寄付を資金に、子供たちのための公園を作ったり、
ねこたちや現地の人たちの食べ物を購入し、命を守る活動に
誠心誠意を尽くしているアルジャジール氏。
非道な戦闘に屈しない彼の最新のツイートには、
そんなサポーターへの感謝の気持ちが表れています↓
greetings to all friends from a Aleppo under siege, I thank you all for your support and love that you are offering to us,thanks to all you pic.twitter.com/j7Kt4HV441
— Ernesto’s Sanctuary for Syrian Cats (@theAleppoCatmen) November 20, 2016
残念ながら、言語の壁に阻まれて、ねこねーさんには
動画の中のアルジャジール氏が何をいっているのかわかりませんが、
彼の表情からして、現地の深刻さが伺われます。
サンクチュアリが移転したからといって、この内戦が続く限り、
アルジャジール氏とねこたちの命の保障はありません。
今のところ、アルジャジール氏のTwitter投稿は頻繁にあります。
平和な毎日の訪れを願いつつ、サンクチュアリの今後を
Twitterで見守っていきたいですね。
Facebookにログインしないと見れませんが、アルジャジール氏の活動を支援する
Facebookグループのリンクも、以下に張っておきます↓
Twitter:Il Gattaro D’ Aleppo
Facebookグループ:Il gattaro D’aleppo
関連記事はこちら↓
Huffington Post(11月16日):New Onslaught Of Airstrikes In Aleppo Hit World-Famous Cat Sanctuary
Huffington Post(11月18日):アレッポの「猫の避難所」、空爆で被害を受ける
ロケットニュース 24(11月19日):シリア空爆で「100匹の猫がいる保護施設」が被害 / 空爆動画など被害状況がSNSで報告される
クリスマスのイルミネーションが点灯し始めた平和な日本では
とても考えられないシリアの現状。
ねこねーさん同様、国際情勢に疎い方も少なくないと思いますが、
アルジャジール氏の保護ねこ活動が、この現実を世界に知らせる
きっかけになればよいなと思います。
そして、どうか現地の人たち&わんにゃんたちが
少しでも穏やかな年の瀬を迎えられますように。