【ねこねーさん雑記】退院決定!入院中に8クールの抗がん剤治療について振り返るの巻
前回のブログでは、右乳房全摘の翌日に手術レポートをお届けさせていただきましたが、本日はちょっと過去にさかのぼって、ねこねーさんが耐え忍んだ計8クールの抗がん剤治療について備忘録的に書き留めておきたいと思います。
入院中に乳がん関連の記事をあと2つほどアップしたかったのですが、じつは今朝9時ごろに、切除した右胸からぶら下がっていたドレーン(血液などの排液を体外へ排出するための管)が抜けまして、早くも明日の午前中の退院が決まったんですよー!当初の予定では、金曜退院だったので、2日早く3ニャンの元に帰れます。
今も普通に元気なので、在宅勤務での仕事復帰は退院翌日の木曜からにする予定。在宅とはいえ、仕事を始めると時間確保が難しくなりますからね、心置きなくブログの執筆ができるのは今日がラストチャンス。今のうちに、時間がかかりそうな副作用のまとめ記事をアップしておきたくて。今回の記事は、ウルトラスーパー長くなると思いますので、興味がある方だけお時間のある時にお読みください。
ねこねーさんの乳がん治療の詳細については、記事の下の方にも時系列でまとめてありますが、術前抗がん剤治療をスタートさせたのは6月15日。今と同じ病院に1泊入院して病室で点滴を投与したのが最初です。乳がんのサブタイプがトリプルネガティブという抗がん剤しか効かないタイプだったので、ホルモン治療の選択肢はなし。しこりを小さくし、薬の効き目を確認することができる手術前の抗がん剤治療を行う流れとなりました。
母親も乳がんで亡くしているので、乳がんについての事前インプットが我ながらもう少しあっても良さそうな気もするのですが、母上が手術や治療を行なっていたのは、もう30年近く前の話。当時は社会人になって一人暮らしを始めたばかりで病気について話す機会もあまりなく、インターネットも今ほど身近ではなかった時代です。おそらく昔の治療は、今とはかなり違ったんだろうなぁ。
現在のねこねーさんの乳がんリテラシーの構成要素は、お医者さまからの説明が2割、巷のブログやXで公開されている体験談からの情報が3割、実体験から得た体感情報が5割って感じですかね。本来であれば、わからないことや謎に感じていることは、なんでも主治医や医療スタッフに聞いてみるのが一番なのでしょうが、診察時間も限られているし、そもそも突然病気になってしまって乳がんについて無知すぎて「何がわからないのかが、わからない」という状況だったんですよね。
その意味で、お医者さまに質問する前にSNSなどに投稿されている患者さんたちの体験談で事前に予習をしておくというのは、それなりに大切なんじゃないかと思います。ただ同じ薬や治療法でも、個人差が大きいという点は要注意。そもそもサブタイプが同じがんでも、しこりの数や大きさは違いますしね、抗がん剤の種類も異なっていたり、年齢や閉経の有無、遺伝性なのか、そうじゃないのか、副作用の出方も千差万別ですから。
というわけで、これから書くリポートも「ねこねーさんの場合はこうだったよ」という参考レベルにお読みいただけると幸いです。術後の痛みもへっちゃらだったことからもご察しいただけるように、ねこねーさんは痛みや辛さのレベルが低い(もしくは痛さに耐性がある)体質みたいで。抗がん剤の副作用も、相当軽くて済んでいるものと思われます(対X投稿比)。もちろん、お医者さまではないので、治療についての説明にも、誤解や誤認があるかもしれませんので悪しからず。
前置きが長きなりましたが、全8クールの化学療法の内訳は2部構成になっていて、前半の4クールがddEC療法。後半の4クールがddPTX(パクリタキセル)療法になります。どちらの療法にもついている「dd」というのは「dose-dense」の略です。通常3週間隔で次の点滴をするところ、副作用で減った白血球の数の回復を待たずに2週間隔のハイピッチにして効果を高めようとする療法です。
そのため、何もしないと、白血球の一種である好中球が減少したままになってしまい、感染リスクが高まります。そうならないように、点滴をした翌々日にジーラスタという注射を打って好中球の数をブーストします。この注射、抗がん剤よりもお高いんですよー!初めて会計を済ませた時は、3割負担の金額が予想外に高くてビックリしました。過去ブログにも書いた気がしますが、ねこねーさんは、このジーラスタとの相性がとてつもなく悪く、抗がん剤よりもこの注射の副作用に悩まされました。。
前半のddEC療法は、エピルビシンとエンドキサンという2種類の抗がん剤を組み合わせて点滴します。エピルビシンのほうは赤色の液体で、点滴後すぐにオシッコが赤くなるんですよー! EC療法は、吐き気の副作用が強いため、点滴前に吐き気止めの薬も飲むのですが、合計の点滴時間はあっという間。化学療法センターの滞在時間は、2時間に満たないくらいだったかな。点滴中に持参したタブレットで映画を観ようと思っても、途中までしか観れなかったりするんですよね。
ただし、副作用はなかなか強烈。ねこねーさんの場合、EC療法の主な副作用と言われている吐き気と便秘はなかったものの、全身の脱毛、爪の変色と痛み、手足の皮膚のゴワつき、口腔内のザラつき、顔のシミ、点滴の血管痛に見舞われました。あとは貧血ですね。
なかでも地味に辛かったのは、回を増すごとに悪化する貧血。倦怠感や息切れの原因になるだけでなく、血液検査で貧血の数値が引っかかると、その日の点滴は受けられなくなりますから。治療の予定も狂ってしまうので、個人的にはそのことがすごく気がかりでした。
抗がん剤治療前に得た予備知識から、確実にできるものと思っていた口内炎は、計8クールの治療中、一度もできることがありませんでした。処方してもらったうがい薬を使って、まめにうがいしていたのが良かったのかも。口の中はざらついていましたが、味覚障害も起きず、食欲もずっと保つことができたのはラッキーでした。
貧血の数値がそろそろヤバい…と感じていた頃に後半のddPTX療法にスイッチしたのが、8月下旬。パクリタキセルの化学療法レジメンは、点滴時間こそ4時間近くあって長いのですが、副作用の出方はEC療法よりもマイルドなようです。こちらは、吐き気よりもアレルギーが心配な薬ということで、アレルギー対策の薬も事前に点滴します。
パクリに切り替わってから、下げ止まることを知らなかった貧血の数値は、ひとつ前の回の数値まで微増。その後も横ばい状態をキープできたので、化学療法の点滴を続けることができました。EC療法の時に色が変わって剥がれかけてきた指の爪も痛みが和らいで、パクリ治療の途中から正常な爪が下の方から生えてきました。
EC療法の2回目以降に髪の毛がごっそり抜けた後、なにげにキープできていたまつ毛や眉毛や下の毛も、いつの間にか超薄毛になって、今では風前の灯に。鼻毛に至ってはツルツルなのですが、おそらくそれはパクリじゃなくて、EC療法の副作用が遅れて出てきたものと、ねこねーさんは勝手に思い込んでいます。それくらい、パクリの副作用はECに比べて楽勝っぽかったんですよ。
ですが、ですが、そこは抗がん剤!パクリタキセルは、蓄積されることによって末端神経障害が生じやすい薬です。そのため、点滴時には毎回、手足の痺れを予防するための対策も取られました。ケモ室の冷凍庫で冷え冷えになった冷却剤をお借りして、両手はグローブ、両足は巻きつけるタイプのブーツを装着して、点滴中ずっと冷やし続けました。特に足の冷却剤は強烈で、下手すると凍傷になるレベル。副作用よりも足の冷えすぎの方が辛いんですけど。。と思いながら、毎回冷えの我慢大会に耐えていました。
そこまでして対策を万全にしたにもかかわらず、痺れはある日突然、やって来る。パクリの点滴3回目が終わった頃からなんとなく、手の指先がジンジンと痺れ始めてきたのです。ECの副作用で爪の色が変わった時のように、痛くて何かができないというほどではないのですが、気づくと物を落としたり、常に痺れの不快感が付きまとう毎日が日常的になりました。
主治医にも相談しましたが、神経の痺れは鎮痛剤では効果がないとのことで、ちょっと前から「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」という漢方薬を飲んでいて、入院時の今も持参して飲み続けています。効いているのかいないのか、いまいちわからない感じですが、漢方薬なので気長に飲み続けるしかないですね。
あとは、治療の後半になってから入浴後や歩いた後の息切れがひどくなってしまったのですが、貧血の値は悪くなっていないので、おそらく抗がん剤の影響で体力がなくなっているせいなのではということでした。急に老化してしまったかのような息切れも、今では少し改善していますが、体力的にはまだまだ全然です。退院したら長時間歩いても息が上がらない体を取り戻したいなー。
抗がん剤の副作用について長々と書いてしまいましたが、最後にもうひとつ。ねこねーさんの天敵、白血球を増やすジーラスタ注射の副作用についても書き留めておかなくては!SNSを覗き見する限りでは、ジーラスタにここまで苦しめられてる人はあまりいないのですが、ねこねーさんの場合は相性が悪かったのでしょうね。抗がん剤よりもジーラスタ恐怖症と言ってもいいくらいです。
注射を打った帰りの電車の中から生あくびが出始めて、帰宅した頃には、すでに結構な倦怠感と頭痛に襲われてしまって、その日の活動は全てキャンセル。食欲はあるので、とりあえず食べられるものを食べて、早めにロキソニンを飲んで、後はリビングのリクライニングチェアに座りっぱなし。目の前に流れる配信映画をぼーっと眺めて、時々寝落ちして、また映画を観ての繰り返し。
注射を打ちに行くのは、たいてい土曜日だったので、仕事への影響はなかったのですが、2週に一度、極度の倦怠感で土日がまるっと確実に使い物にならなくなります。週明けになると、ほとんどの場合はケロッと元気になるので、まだ助かりましたが、抗がん剤治療の後半戦になって体力がなくなってくると、ジーラスタの副作用の延長で週明けになっても倦怠感が続きました。
注射のおかげで、好中球の数値は爆上がりして、無事に抗がん剤治療を続けられたのですが、ジーラスタ注射がなかったら、今回の治療はどれだけ楽だったことか。通常は、倦怠感よりも腰の痛みの方が副作用として出やすいみたいなのですが、ねこねーさんの場合は特殊だったのかなぁ?
とはいえ、抗がん剤治療中、このジーラスタの強烈な副作用と同じくらい大変だったのは、何を隠そう、左手首の骨折なんですよねぇ(苦笑)この半年間のやばいレベルの体感ランキングは、1位タイがジーラスタ注射と手首の骨折、2位がまさかの逆転浮上でパクリタキセルの手足の痺れ、3位 ECの貧血、4位 ECの爪の変色&痛み、5位 ECの血管痛って感じかなー。
もしかしたら、2位のパクリの痺れは、現在進行形なので、それでとりわけ辛く感じられているだけかもしれません。ECの貧血もかなりしんどかったので、2位タイでもいいくらいです。脱毛は、痛くないのでランク外。メンタル的なショックもほとんどなかったし。ただ、まつ毛がなくなると、上下のまぶたがくっつくので、その不快感はちょっと気になりますね。あと、鼻毛がないと鼻水がダイレクトに床に落ちる(苦笑)花粉症の時期だったら大変だなと本気で思います。
個人差はあると思いますが、こんな具合なので、これから化学治療に取り組むみなさまは、くれぐれも骨折だけはしないように気をつけましょう(笑)予想以上に痛くて大変(しかも、リハビリもしんどい。。)というのもありますが、ボルトを埋める手術になったりすると、がんの治療の予定が狂いかねませんから!(主治医からも、その点はすごく言われました。。)
まぁ個人的には、手首の骨折が思った以上に大変で、その分、抗がん剤治療の大変さや乳がんであることの深刻さが和らいでしまったという、怪我の功名はあるのですが。
ちなみに、先ほどのランキングに今回の全摘手術を加えるとどうなるかというと、体感的に痛みのレベルはほとんどないに等しいので、やっぱりランキング外かな?この感じだと、おそらく帰宅後も、いつも通りの生活を問題なく送れるんじゃないかなーと期待しています。
明日は、いよいよ退院です!おうちのみニャさんにも6日ぶりに会えます!お世話係のお友達が頑張ってくれているので、安心して帰れます。整形外科のリハビリ通院も明日から早速、再開しますよー!乳がんの全摘手術後の一番の心配事が、骨折後いつまでも曲がらない左手首だなんて(苦笑)。本当に骨折だけは気をつけましょうね。リハビリの効果がなかなか出なくて、真面目に大変ですから。。
浸潤性乳管がん(右)、トリプルネガティブ
核グレード(がんの顔つき)3、Ki-67(増殖率)76%、ステージ1
HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん)陰性
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5/11 大学病院初診(血液検査&尿検査、乳房エコー検査、CT検査)
5/25 主治医から検査結果の説明
5/26 心エコー検査
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9/23 抗がん剤治療(全8クール+ジーラスタ注射)予定通り完走!
10/13 右乳房全摘手術(センチネルリンパ節生検→リンパ節郭清なし)
10/18 手術から5日目に退院