【追悼・畑正憲&坂本龍一】 ムツゴロウさんと教授の珠玉コラボ!チャトランの名演が光る名作映画『子猫物語』
「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた畑正憲さんが亡くなってしまいましたね。ねこねーさん世代にとっては、動物たちと同化するほど仲良くなる秘訣を心得ている元祖「動物好きおじさん」といった印象で、ライオンに中指を食べられてしまったエピソードや大の麻雀好きだった一面も含め、いろいろと興味深いお方でした。
フジテレビで放送されていたムツゴロウさん密着番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」シリーズは、ねこねーさんも大好きでした。北海道の広大な敷地でたくさんの動物たちと暮らす「ムツゴロウ動物王国」は、一時は獣医になりたかったねこねーさんの桃源郷でもありました。
とはいえ我が家は、にゃんこと鳥さんの大所帯で、よく「ムツゴロウ動物王国」に例えられて「王国」呼ばわりされているので、ある意味、ムツゴロウさんの生き方に少しは近づけているのかもしれませんが(笑)
ムツゴロウさんの近況についても、昨年の1月に「文春オンライン」に掲載されたインタビュー記事を読んで興味を抱いておりました。「今は、控えめな数のわんにゃんと余生を静かに送っていらっしゃるのだなぁ」としみじみと思っていたのですが、まさかこんなに早く訃報が届いてしまうとは…思ってもみませんでした。
ねこねーさんが読んだ「文春」の記事は、ムツゴロウさんの訃報が届いた後に「追悼」の見出しをつけて再掲されていますね↓
文春オンライン(4月6日):【追悼】「今は犬1頭と猫1匹だけ…」借金3億を背負って「動物王国」を閉園したムツゴロウさん(86)が辿り着いた“北海道のログハウス生活”「今は自分が生きていくだけでやっとです」
ムツゴロウさんといえば、ねこねーさん的に真っ先に思い浮かぶのが、動物映画史に燦然と輝く昭和の大ヒット作品『子猫物語』。いまでこそ「ねこ映画」といえば、動物写真家の岩合光昭さんの作品が思い浮かびますが、日本のねこ映画の代表作といえば、やはり『子猫物語』になるんじゃないかなぁ。
じつはこの映画は、先日他界されたばかりの「教授」こと坂本龍一さんが音楽を手がけた作品でもあったのです。月曜日のブログの最後に、「ねこねこNEWS」で教授がらみのねこネタ特集が組めればいいんだけどなぁ…と書いていたのですが、時間がなくてまだ探りを入れられていなかったんですよ。
教授のねこネタは、週末にゆっくり検索してみる予定だったのですが、ムツゴロウさん追悼関連のメディア記事に「坂本龍一」の名前が出てきて驚きました。まさか、こんな超有名どころのねこ作品に教授が携わっていたニャンて!そして、まさか「ねこねこNEWS」で、ムツゴロウさんと教授のダブル追悼特集を書く日が来るなんて…思ってもみませんでした。
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Yahoo! Japan(4月6日):ムツゴロウさんが監督・脚本の映画「子猫物語」、坂本龍一さんが音楽を担当…「偶然だけど寂しい」ファン惜しむ
『子猫物語』は1986年公開の映画です。「タロジロ」ブームに火をつけた1983年公開の感動作、映画『南極物語』のわんこフィーバーから3年後、主役の茶トラにゃんこ「チャトラン」が巻き起こしたお猫さま旋風については、ねこねーさんもよく覚えています。雑誌などでも、かなり大々的に取り上げられていましたからね。
が、しかし!ねこねーさんともあろうことが、実はこの作品をちゃんと観たことは今まで一度もなかったような。。「ねこねこNEWS」で取り上げる機会があってもよかったものの、過去記事でもまったく触れたことがなかったようです。
主役の茶トラの子猫「チャトラン」と相棒のパグわんこ「プー助」、そして監督はムツゴロウさん、という組み合わせは、公開当時からしっかりと頭の中に刻まれていたのですが、改めてこの映画の関係者を調べてみると、音楽を担当した坂本龍一さん以外にも、そうそうたるメンバーがスタッフ一覧に名前を連ねていることに驚かされます。
こちらは映画のチラシ画像です。このロゴのデザインとチャトランの写真も、よく覚えています。懐かしいですね!↓
「映画チラシサイト」に掲載されていたチラシの裏面も拝借させていただきます。スキャン画像なので解像度はイマイチですが、ギリギリ読めるかな?↓
そしてこちらは、チラシに採用されていたチャトランのお顔の写真をアップにレイアウトし直したDVDのパッケージデザインです↓
裏面はこんな感じ。「いのちの声が聞こえてきます。」のキャッチコピーも、なんとなく覚えていました↓
そして注目すべきは、「Staff & Cast」の欄。脚本・監督の畑正憲さん、音楽監督の坂本龍一さん以外にも、協力監督に市川崑さん、詩は谷川俊太郎さん、詩の朗読は小泉今日子さん、ナレーションは元フジテレビの大御所アナウンサー露木茂さんという凄い顔ぶれ。37年後の今でも名が知れている皆さまですが、映画公開当時も第一線で活躍されていた業界をリードする方々ばかりです。
YouTubeは素晴らしいですね、当時の予告編もシェアされていました↓
画質が悪いのが残念ですが、以下の動画は、地上波初放送のオンエア前にテレビで流された映像なのかな? 声の主は、「情熱大陸」のナレーションなどでお馴染みのナレーター、窪田等さんですよね↓
YouTubeには、別の貴重映像もアップされていました。『子猫物語』のDVDに収録されているボーナス映像のようです。映画製作の舞台裏について、ムツゴロウさんご自身がアナウンサーの山村美智子さんを相手に語っている内容です。
「これぞ、ムツゴロウさん!」的なお約束のシーンも拝めますよ。子猫のチャトランとパグわんこのプー助もリアル登場しているお宝映像です↓
ちなみに斬新な動物映画でもあった『子猫物語』は、海外にも進出しています。英語版のタイトルは、わんにゃんコンビが主役の『The Adventures Of Milo And Otis』。日本語に訳すと『マイロとオーティスの大冒険』ですね。チャトランの名前が「マイロ」、プー助の名前が「オーティス」と変更されています。
こちらが、そのトレイラー↓
あれ?音楽がめちゃくちゃカントリー調なんですけど?坂本龍一さん作曲の繊細なメロディーは、いずこへ??と思ったら、どうやら英語版では、音楽まで差し替えになっていた模様。
オープニングからエンディングまで英語版をまるっと1本、全編アップしている動画がYouTubeにあったのですが、オープニングの表記によると、米国公開版の『子猫物語』の音楽担当は、映画音楽作曲家のマイケル・ボディカーさんになっていますね↓
これはこれで、アメリカンなわんにゃん冒険物語として楽しめるのですが、やはり日本のみなさまには、教授によるオリジナルサントラ付きでメルヘンの世界に浸っていただきたいなぁ。ねこねーさんも、日本版でちゃんと鑑賞しなくっちゃ!
ここからは、坂本龍一さんが手がけた『子猫物語』の音楽に焦点を当ててみたいと思います。
まずは『子猫物語』のオープニングテーマからお楽しみください↓
こちらはエンディングテーマです。映画のエンディングをそのまま切り出した字幕付きになっています。歌詞を手がけたのは大貫妙子さん、歌っているのは吉永敬子さんです↓
たまたまですが、歌詞の内容がムツゴロウさんと教授からのお別れメッセージのようにも受け取れて、切なくなります。
最後は、にゃんこを抱っこしている坂本龍一さんの画像から始まるこちらの動画を。サントラ盤の全曲が網羅されています↓
曲名が知りたい方のために、Amazonの商品ページもリンクしておきますね。曲目リストが載っています↓
多くの方に惜しまれながら、次々とお空の上にお引越ししてしまった坂本龍一さんと畑正憲さん。教授とムツゴロウさんほどキャラ的に正反対のおふたりも珍しいのですが、どちらも個性と才能が段違いに抜きん出た方々でした。ご冥福をお祈りします。